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この気持ちを名づけるなら やっぱり恋なんだろう ちょこっとの空想も織り交ぜて


by shadow

make believe



それはまるで、バロンがくれた物語。
書きたいことがありすぎて最後はもうめちゃくちゃ。
荒々しくて未完成。
まだ磨かれていないダイヤの原石。
それでもきっとアトリエ地球屋の主は私達のことを目を細めて見てくれると信じて。

久しぶりに恋をした。
一人飲んでいた、居酒屋のカウンター。
盛り上がる人生経験豊富な常連さんを間に対角に座ったその人はとても素直な笑顔を見せる人だった。
誰が誰のお酒を飲んでいるのかわからなくなっていくのに混ざるに混ざりきらないその人を巻き込んだのは私だった。
面倒見のいい女性の常連さんに瓶ビール…それはさらに隣の粋なおじさまのものだった気がするけど を持たされたその人は、私のグラスを満たしに来てくれた。
新しいグラスをもう一つもらい、誰が頼んだかわからない瓶ビールで乾杯し、それが出会いだった。

二次会に行こうと言い出しだのがマスターだったかおじさまだったか定かではないけど、
お前らも来いよ言われた気がして私達も向かうことに。
会計を…と財布を出したら もう済んでるよと。その人が済ませてくださっていた。
シトシトと雨が降り出すなか、その人の傘にお邪魔して次のお店へと歩く。
聞けば隣の中学校で、高校時代の先輩と同級生で、同じくジブリが大好きで、LINEをやっていて、新しくしたばかりのスマホを使いこなせない私を散々笑いやがって、
なんとか繋がった頃には距離がかなり縮まっていた。

二次会では常連さんの旅の話を聞き、
粋な話を聞き、
ビールと餃子の匂いにを十分に体にしみつけた頃には日付が変わって一時間は経っていた。
送って行きますよ という言葉に恐縮しながら、
どこかもう少しこの時間をと期待していた自分をを隠しきれなく、家までの道は饒舌だった。
それは今思えば私に限ったことではなく、
その人もまたにこにこと楽しそうに、いろんな話をしてくれた。
今日のお礼を必ずさせてください。
もちろん本心だけど、なんでもいい、もう一度会う口実を、そんな思いでお別れをした。

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by shadow_of | 2015-09-23 16:46 | おさんぽ