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この気持ちを名づけるなら やっぱり恋なんだろう ちょこっとの空想も織り交ぜて


by shadow

make believe rule



まるで安いメロドラマだ
そう言ったのはカルチェラタンの住人の俊であり、その人ではない。
わたし、どうしたらいいの
と言ったのは 大切な人の帰りを待ち旗を掲げ続ける海であって私ではない。

前を横切る男性二人組がジロジロ私達を見た。
あからさまに見られたねと話しながら歩いていたのは深夜、錆びれたホテル街。
そりゃ、見られるだろう。
私はデッキブラシを持ち、その人はタワシを持って意気揚々と歩いていたのだ。
その日は友達の結婚式の二次会があった。
駅前の居酒屋が立ち並ぶ通りの一角で開催されることをなんとなくその人に伝えていた。
玉宮にいらっしゃればバッチリメイクの私が見れますよ(笑)
その人はなんとなく、夜は飲みに出るつもりであると伝えてきた。
じゃぁ時間潰しながら飲んだくれてますね(笑)

二次会、盛り上がってますか?ビンゴとかやってるのかな?なかなか当たらないよね。マジで?当たったの?!メッチャ見たい!

二次会、盛り上がってます。ビンゴ…まだなかなかです。ぁ、当たりました!!景品、メッチャ見せたいです!

おひらきになったことを伝えたらその人は来てくれた。そして笑われた。飲み屋街にオシャレしてデッキブラシをもって街灯の下に佇む私を見て。
魔女の宅急便ごっこができますと話しながらデッキブラシを交代で持ちながら歩を進める。
信号がなかなか青にならないと思ったらボタン式だった。
律儀に押して待つけれど、走っている車なんてない。
おじいさんがルールを無視して道を渡っていく。
渡れるけどね。
少しでも、隣にいる理由を。

その人には教えていないけど私の家の前を通り過ぎた。
もう、近いですから。
そう足を止めても話は尽きない。
ここで話すのはちょっと…
どうしますか?
何をどうするんだ と聞きたいけど、聞けなかった。
ズルいです。
ズルい男だと思います。こないだの公園はどっちでしたっけ?

デッキブラシを振り回しながら住宅地を闊歩する私達は、ハタからみたらロマンチックな関係ではなく酒を飲めるようになったばかりの学生然りだ。



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by shadow_of | 2015-09-30 21:48 | おさんぽ